2016年10月1日土曜日

Kellogg MBA: 2011 Fall Semester

Kelloggの2-year MBA (通常のMBA)は、Fall, Winter, Springの3つに学期が分かれており、9月から12月はFall Semester (秋学期)。最初のCore Courses (必修科目)を取る期間にあたるため、Waive試験 (免除試験)を受け合格しない限り、決められた科目を取り、学校側から指定された教授のクラスに参加することになる。せっかくの機会なので、なんとなく仕事で身に着けてきた知識を総復習/再構築するために、Finance以外は全ての必修科目を一から学ぶことを決意。

尚、必修科目であるかどうかに関わらず、全ての授業においてグループワークが大量に存在し、また全てのチームが違うメンバーで構成されるのがKelloggの大きな特徴。つまり、毎回周囲からのプレッシャーを受け常に周囲から評価されながら(実際に学生間の評価も成績に反映される)、一人でやった方が早いような課題ですらグループで取り組むことになり異常に時間を取られる、ということになる。しかしここで頑張らないと成績も下がり、周囲からの評価も下がり、次第に良いチームを組めなくなっていく。そして授業毎にチームが違うため、「こちらの科目で頑張った分、違う科目では他のメンバーに任せる」ということが出来ない。これがKelloggの学生の日々を忙しくさせる最大の要因であり、また学生間の密なネットワークやチームワークを大事にする環境を作り出す非常に重要なポイントでもある。

2011 Fall Semesterで取得した科目は以下の通り。




① Business Strategy
その名の通り、ビジネスの中での様々な戦略論についてのクラス。信じられない量の課題が週2回のクラスで毎回与えられ、それらを全部読んだ上で必ず毎回エッセイを提出し、授業中に無差別にCold-call (突然名指しで質問)が大量発生するという精神的に最も辛かった授業。内容は非常に面白く、なぜGMとToyotaが北米で提携をしたのか、そのメリット、どのような選択肢が他にあったのか、といった議論やインテルのIntel Inside (日本では「インテル入ってる」)のCMがどれほど産業構造を変革したのか、どのような状況であれば使える戦略なのか、といった内容。投資銀行業務、コンサルティング業務、そして企業経営というフェーズでは非常に有意義な科目であることは間違いない。尚、教授が2日目には70名のクラスメート全員の名前を覚えていたのが印象的。教え方や講義における情熱もそうだが、教授のプロ意識に圧倒される。

② Marketing Management
KelloggといえばMarketingが世界一と言われることが多く、それだけにMarketingの教授には有名教授が多く、今回私が受けたGraysonという教授もそのうちの一人。Marketingと聞くと非常にふわふわした議論をイメージしがちだが、彼は数字から物事を詰められるだけ詰めて、そこからはMarketingらしい感性の議論も加わってくる、というバランスの良い教授。米国外でのマーケティング関連実績も多彩であり授業でも様々な国の題材を扱うため、Kellogg内でも1,2を争う人気教授。但し、数字も真剣に議論することから、課題が非常に辛く、買収案件等で作っていたようなモデルを作ったこともしばしば。更にグループ内で議論を重ねて成果物を作っていくため、一番時間を取られた科目。最後のエッセイは30時間近く掛かった。その分学びも大きく、Marketingの基礎的な考え方は自然と覚えることが出来、彼のクラスを取ることが出来て幸せだったと最後には思えた。(途中は辛すぎて後悔の方が大きかった。)

③ Accounting for Decision Making
簡単に言えば会計学。但し、日本で学ぶ会計学よりは実践に即しており、日々一つの会計知識を学ぶごとにそれに関連した経済や企業の動きも合わせて講義を交え、実際に米国企業やアジア企業の決算書や10-K (有価証券報告書にあたるもの)が課題として与えられたり、と非常に現実的に役立つ内容。但し、元々仕事で日々使っていた知識であり、米国会計基準との差は勉強になったが、それ以上の学問的な学びは無かった。一方、会計学であってもグループワークがあるのがKelloggであり、当然周囲の学生よりもアドバンテージがあるので自然とチームをリードすることになり、インターナショナルなチームの中でのリーダーシップ経験としては非常に貴重な機会だった。

④ Decision Making Under Uncertainty
統計学を意思決定に用いる、という授業。学部時代、経済学部であったので“一応”学んだことがあったが全く覚えていないことに加え、大学生時代にさほど真剣に取り組んだ記憶も無かったことから新鮮な気持ちで学習。様々なケーススタディやビジネスっぽい状況における意思決定を統計学的アプローチで決定していく、という内容であったため、大学生時代よりも遥かに楽しく学ぶことが出来た。過去に学んだ微かな記憶と数学アドバンテージ(欧米人はトップMBAスクールであっても日本の中学/高校レベルの数学でも困ってしまう人が多数)により、Accounting同様にリーダーシップを発揮する良い機会になった。

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