2016年11月21日月曜日

Kellogg MBA: 2013 Winter Semester

2年生のWinter Semesterは、今までにないほどに落ち着いた日々。1年生が就職活動真っ盛りになるため、学校全体もしくは1,2年生共通のイベントが激減。一方、こちらは就職活動も無く、外はマイナス15℃位(厳密に言えば0℃~マイナス20℃の間で変化)と外で活動することもあまりない。よって、今までになく勉強に集中することになった学期。前学期までは、せっかく違う世界に来たのだから、とFinance系の授業はあまり取らないようにしていたが、それもそれで飽きてきたのでついに金融系の授業を取り始めたのもこの学期。とは言いながらも、M&AやPEといった授業では今までの自分の経験や仕事に勝る学びはないだろうと考え、ちょっと自分がかじっている程度の金融系の科目を掘り下げて理解することに。

Winter Semesterに履修した科目は以下の通り。




Money Market and Fed
アメリカの中央銀行であるFedの金融政策とマーケットについて学ぶ。金融にいたわりには、債券とか為替の世界には疎く、表面的なことしか知らなかったため、基礎知識の学び直しと最近の政策やマーケットの動きでも学んでおきたいと思い、受講。実際に、直近の不況下での米国金融政策の成功と失敗、日本のバブル崩壊後から学んだ教訓、景気が回復を始めつつある現状における問題と解決策の候補等を学ぶことが出来、日経新聞とブルームバークを今までよりも楽しく眺めることが出来るようになった気がする。

Macroeconomic Policy and Global Capital Market
上記①の授業と似ているものの、マクロ経済の動きに着目して、金融政策・財政政策の両方からアプローチし、最終的には金融マーケットに話が繋がるという授業。上記①の授業と合わせて受講することで、一気に理解が深まるのではないかという目論みであったが、それは正しかった一方で、テストを解く際にどちらで学んだことが分からなくなるという情けないハプニングもあり。尚、経済学部卒だったので、半分くらいは既に学んだことがある内容ではあったが、仕事も経験してこの歳になってから世界経済の実例と共に学ぶことで、明らかに理解が深くなった。

Real Estate Entrepreneurship
不動産投資のファンディング、ソーシング、DD、Valuation、リノベーション、開発、管理、売却、ととりあえず全部やってみる授業。今まで不動産投資や不動産が担保となっている債権投資、不動産会社へのPE投資はやってきたが、自分は不動産スペシャリストとしてチームに入っていたわけではなくDeal managerのような立場だったので、恥ずかしながら不動産の知識は大雑把。よって、こちらも復習と新しい知識が入り混じっていて非常に楽しかった。クラスメートの8割くらいがM. P. M. (Master of Project Management) かパートタイムMBAで、ほぼ不動産プロフェッショナル、という中々痺れる面々であり気を抜けず、教授もしっかりプロフィールに目を通しているようで、Finance的発想の議論になるとほぼ必ず自分が当てられる。いい意味でやる気の出る授業。最後に実際の投資プロジェクトをチームで考え、外部から招待された投資家達へプレゼンするのだが、仕事とほぼ同じレベルでの完成度が求められ、現地の建築規制、税制、ファンドのストラクチャー、レンダーへのヒアリングまでやる、という「おいおい、そこまでやるか」と思ってしまった程のレベル。投資家達からのQAもそのレベルで来るので、かなり参ったが、クラスが終わった時の達成感も高い。日本に帰る前に、不動産の知識を思い出し、少し深められたことも踏まえて、良いクラスだった。

Advertising Strategy
その名の通り、広告戦略に関する授業。特定の商品を毎回扱い、戦略的分析から正しいマーケティング戦略を決定し、その上でどんな広告が良いか、何をアピールするべきか、どのような人物を起用すべきか、といった広告の詳細まで詰めていく。学んでいるコンセプトや戦略は非常にロジカルで、「あぁこういうことを考えながら広告を作っていくのか」ということは学べたのだが、唯一の不満は「アメリカ人のセンスが分からない」と思う広告がある程度存在していたこと。特にユーモア系は一回見ただけでは、「ん?」となってしまうことが多かった。一方で、日本人らしいセンスを発揮して提案した広告の内容が非常に認められることもあり、本当にセンスによる部分が多い世界だな、と痛感。アメリカ人3人とタイ人とチームを組んで、グループプロジェクトに取り組み、一緒に分析し、広告を作ってみたりする中で、センスの差が出て非常に面白かった。特に、男性感・女性感は圧倒的に違い、男性/女性をこう魅せるとアメリカ人には響くのか、という感性を少し学ぶことが出来たのは個人的に興味深かった。

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